最新の絶滅危惧種!地球から姿を消すメジャーな動物たち

絶滅危惧種


絶滅危惧種とは、絶滅が危惧されており近い将来この地球上から存在しなくなってしまう可能性がある動物種を指す言葉です。動物の絶滅は地球の歴史の中で何度も繰り返されてきたことであり、それ自体は消して珍しいことではありません。ある種の動物が絶滅することによって空白になった生物的地位を埋めるため生き残った生物が進化することから必要なこととすらいわれています。しかし、人類の出現とそれに伴う乱獲や環境汚染により、これまでとは比べ物にならないほどの速度で多くの動物が絶滅するようになりました。

絶滅危惧

地球の生態系の急激な悪化を防ぐため、国際自然保護連合(IUCN)は絶滅危惧種を登録するリスト「レッドリスト(The IUCN Red List of Threatened Species)」を作成しました。地球の生態系や生物種を保全することで急激な環境変化を防ごうとする試みです。
今回はこのレッドリストの中から私たちがよく知るメジャーな動物たちをご紹介しようと思います。近い将来、地球から姿を消してしまう動物とは一体どんな種なのでしょうか?

 
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絶滅危惧種

1.チンパンジー

メジャーな動物である類人猿のチンパンジーですが、実は絶滅危惧種に指定されています。生息域を人類による森林伐採で奪われ、食用やペットにするために乱獲されたため数を減らしました。エボラ出血熱や呼吸器系の病気に弱い点も絶滅が危惧される一因です。

チンパンジー

人間に近い体をしているために動物実験などにも多く使用され、ロケットにより宇宙に飛ばされたチンパンジーも存在します。映画「猿の惑星」では進化することで人間に代わり地球を支配したチンパンジーですが、現実の世界では絶滅の日を待つことになりそうです。

出典:wikipedia,AaronLogan

 

2.カバ

巨大な水陸両用動物のカバも絶滅危惧種に指定されています。ワシントン条約で取引が禁止されている象牙に代わりカバの牙が高級品として扱われるようになりました。そのため密猟の被害によってカバは年々数を減らしています。

カバ

20年ほど前まではカバの絶滅は心配されていませんでしたが、現在では近いうちに絶滅してしまうとまでいわれるようになりました。人間の手によっていかに急激に数を減らしたかがわかります。

出典:wikipedia,Frank Wouters

 

3.ラクダ

背中に山のようなコブを二つ持つフタコブラクダも絶滅を危惧されている動物のひとつです。フタコブラクダは紀元前2000年もの昔から人間に家畜として飼われ、毛皮や肉、乳などその恩恵を人類にもたらしてきました。しかし、乱獲などを理由に現在では900頭ほどまで数を減らしてしまいました。また、もう一種存在したヒトコブラクダも野生種は絶滅したとされています。

フタコブラクダ
出典:wikipedia,Yaan

 

4.レッサーパンダ

立ち姿がかわいく「アカパンダ」との異名を持つレッサーパンダですが、やはり絶滅危惧種に指定されています。森林伐採による生息域の破壊や毛皮を狙った密猟により数を減らしています。愛くるしい姿から動物園でも人気の動物なだけに絶滅を阻止しようと世界中の動物園で飼育下の繁殖に取り組んでいます。中国語でパンダが「大熊猫」と呼ばれるのに対し、レッサーパンダは「小熊猫」と呼ばれています。

レッサーパンダ
出典:wikipedia,Joachim S. Müller

 

5.ヨーロッパバイソン

ヨーロッパに生息するウシ科のバイソンも絶滅危惧種に指定されています。大型の動物のため肉や毛皮を目的として乱獲され、森林伐採により生息域が減少し数を減らしました。現在は世界で4000体ほどの個体が確認されていますが、野生種に関しては絶滅したものと考えられています。

ヨーロッパバイソン
出典:wikipedia,Henryk Kotowski

 

6.ハシビロコウ

止まったように動かないことから奇妙な鳥として一世を風靡したハシビロコウも絶滅が危惧される種のひとつです。意外に思えますが攻撃性の高い鳥のため他の個体と同じ場所で飼うことができず、繁殖の難易度も高いため世界各地の動物園でも繁殖ができていません。ハシビロコウのように大型の鳥は減少している傾向にあります。

ハシビロコウ
出典:wikipedia,Guérin Nicolas

 

7.トラ

大型のネコ科動物であるトラは野球チームにも使われるようなメジャーな動物ですが絶滅危惧種に指定されています。生息域の破壊や毛皮を狙った密猟によりその数を減らしています。また、中国では現在でもトラの骨が薬になると信じられており漢方薬などに使用されています。

トラ

20世紀に入ると亜種3種が絶滅し、現存するベンガルトラ、アムールトラ、スマトラトラなども絶滅の危機に瀕しています。

出典:wikipedia,Zwoenitzer

 

8.オオワシ

オオワシは日本に生息する最大のワシで、翼を広げた大きさは2.5mにも達します。オオワシは漁業で廃棄された魚に集ったり毛皮用に捕獲されたテンを襲うことから害鳥扱いを受けています。それゆえ駆除の対象となったり、羽を目的とした狩猟の餌食になり大幅に数を減らしました。現在では国の天然記念物にも指定されています。

オオワシ
出典:wikipedia,Jambomambo13

 

9.チーター

時速100kmを超える俊足のチーターも絶滅危惧種に指定されています。美しい毛皮を目的として密猟が行われることや家畜を襲う害獣として駆除されその数を激減させています。また、土地開発により餌となる草食動物の現象も大きな一因となっています。

チーター
出典:wikipedia,Malene Thyssen

 

10.アフリカゾウ

現存する最大の陸棲動物であるアフリカゾウも絶滅危惧種に指定されています。アフリカゾウは高級品である象牙の高騰や生息域近くでの民族紛争に巻き込まれ急速に数を減らしました。私たちが暮らす新生代第四紀では特に大型動物が絶滅していく傾向にあります。かつて繁栄した巨大ゾウのマンモスと同じく現存するゾウたちもその姿を消してしまうのでしょうか。

アフリカゾウ
出典:wikipedia,Bernard DUPONT

 

11.ツキノワグマ

日本にも生息するツキノワグマも絶滅が心配されています。ツキノワグマは人を襲うこともあるため害獣として駆除されることも多く、森林伐採によりその住処も奪われました。毛皮や手を手に入れるために乱獲されたことも個体数の減少に拍車をかけています。

ツキノワグマ
出典:wikipedia,H. Zell

 

12.ヤシガニ

ヤシガニは陸棲最大の甲殻類ですが、やはり絶滅危惧種に指定されています。脚を広げた大きさが1mを超えるヤシガニは食用として重宝され乱獲されたことでその数を減らしました。日本でも沖縄などでヤシガニを食べる習慣があります。現在、沖縄ではヤシガニの捕獲を禁止するなどして生態の保全に取り組んでいます。

ヤシガニ
出典:wikipedia,fearlessRich

 

13.アホウドリ

アホウドリは翼を広げた長さが2.4mにも達する大型の鳥類です。このアホウドリも絶滅が危惧されており環境破壊がその原因だといわれています。また、鳥類の中では動きが緩慢で捕獲しやすかったため羽毛目的で乱獲されました。

アホウドリ

「阿呆鳥」の名前もこのゆったりとした動きに由来するといわれています。人間の都合で絶滅の危機に瀕した上に阿呆呼ばわりとは何とも不憫ですが、現在では国の特別天然記念物に指定されています。

出典:wikipedia,Jlfutari

 

14.オオアリクイ

細長い顔と長い舌を使って蟻を食べるオオアリクイも絶滅危惧種に指定されています。オオアリクイは鋭い鉤爪を持っていることから危険な動物と考えられていた時代があり害獣として駆除されていた歴史があります。

オオアリクイ

また、毛皮や変わった姿から狩猟の対象とされ数を大幅に減らしてしまいました。

出典:wikipedia,Fernando Flores

 

15.ジャイアントパンダ

動物園の人気者ジャイアントパンダですが、その個体数を減らし現在では絶滅の危機に瀕しています。森林伐採による生息域の減少や密猟がその原因です。過去、ジャイアントパンダの密猟は死刑の重罪でしたが現在は終身刑に減刑されており、高級な毛皮や肉を狙っての密猟が後を絶ちません。また、ジャイアントパンダは飼育下の繁殖が難しく近い将来絶滅するといわれています。

ジャイアントパンダ
出典:wikipedia,kevinmcgill

 

16.カブトガニ

「生きる化石」と呼ばれるカブトガニも絶滅危惧種に指定されています。カブトガニの血液は安全な薬を作るための検査に使われるため乱獲されていた過去がありました。日本では天然記念物に指定されていますが、製薬検査に関しては世界中で行われ続けています。

カブトガニ
出典:wikipedia,Shubham Chatterjee

 

17.クロマグロ

日本人の大好きな食用魚クロマグロですが、近い将来には食べることが出来なくなるかもしれません。クロマグロは非常に美味であったため世界中で乱獲され遂には絶滅危惧種に指定されてしまいました。現在、日本ではマグロの漁業に厳しい制限がかかっているため、今後益々高騰化が進んでいくことでしょう。

クロマグロ
出典:wikipedia,OAR/National Undersea Research Program (NURP)

 

18.マンドリル

カラフルな顔が特徴の霊長類マンドリルも絶滅危惧種に指定されています。この顔の色は昼間もでも視野の悪い熱帯雨林でも仲間を見分けることができるように備わったといわれています。しかし、人類による熱帯雨林の破壊により生息域が減少し、絶滅の危機に瀕しています。

マンドリル
出典:wikipedia,mandrill at san francisco zoo

 

19.マナティー

大型の海生哺乳類マナティーも個体数の減少が問題視されています。人類による環境汚染や食用としての乱獲が主な原因です。マナティーに限らず大型の海生哺乳類は貴重な食糧減になるため過度な狩猟がされてきた歴史があります。

マナティー
出典:wikipedia, U.S. Geological Survey

 

20.クロサイ

クロサイの角は古くから薬に用いられ、革も需要が高かったため乱獲がおこなわれその個体数を激減させています。現在では若干回復傾向にあるものの密猟は年々増加しているため絶滅の危機は脱していません。

クロサイ
出典:wikipedia,Jonathunder

 

いかがでしたか?動物園やテレビなどでよく目にする動物たちも絶滅の危機に瀕しているんですね。人類が原因の極端な絶滅はやがて私たち自身の首を絞めることになりそうです。