たくさんの流星が降り注ぐロマンチックな天体現象「流星群」。
好条件で観測する流星群は美しく、天体ファンならずとも一度は観ておきたい天体現象であるといえます。
今回は2025年に観測できる流星群の一覧と見つけ方のポイント、その発生条件などをご紹介します。
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2025年に観測できる流星群の一覧
2025年には、しぶんぎ座流星群(1月)やペルセウス座流星群(8月)、ふたご座流星群(12月)など、毎年人気の流星群を良い条件で観測することができます。
今年は全体的に観測条件が良好な流星群が多く、流れ星を見上げるには絶好の年といえそうです。
画像:Leónidasde las tormentas de lacha
この他にも、2025年にはさまざまな流星群を肉眼で楽しむことができます。
夜空を流れる無数の光の帯はとても幻想的です。
正しい時期と方法を知って、今年はぜひ天体観測に出かけてみましょう。
それでは、2025年に観測可能な流星群をご紹介します。
1月 しぶんぎ座流星群
新年最初に訪れる有名な流星群が「しぶんぎ座流星群」です。
2025年は1月4日(土)の午前0時頃に活動が極大を迎えると予測されており、観測には3日深夜から4日の明け方が適しています。
しぶんぎ座流星群は、毎年安定してたくさんの流星が観測されることで知られており、空のどの方角を見ても流星に出会えるチャンスがあります。
月齢も6と控えめなので、月明かりもさほど気にならないはずです。
画像:Amedee Guillemin
1月の夜は冷え込みます。防寒着をしっかり着込んで、流星に新年の願いを込めてみるのも素敵ですね。
4月 こと座流星群
春の訪れとともにやってくるのが「こと座流星群」です。
2025年のこと座流星群は、4月16日〜25日のあいだに観測でき、22日深夜から23日朝にかけてがピークとなります。
今年の月齢は24とほぼ新月に近いため、観測条件は非常に良好で、晴れさえすればくっきりとした美しい流星が期待できそうです。
観測する方角も特に決まっておらず、月が出ていない暗い空を選んで観察してみましょう。
夜はまだ冷える季節なので、防寒対策は忘れないように気をつけましょう。
こと座を形成する恒星ベガ、アルタイル、デネブについては関連記事にまとめています。
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5月 みずがめ座η流星群
ゴールデンウィークの頃には、「みずがめ座η(イータ)流星群」が活動のピークを迎えます。2025年は5月6日(火)の午後0時頃に極大を迎える見込みです。
この流星群は、毎年5月前半に長く活動するのが特徴で、6日夜から7日夜明けにかけてが観測のチャンス。
月齢は8とやや明るめですが、暗い場所を選べばしっかり楽しめるはずです。
画像:Navicore
母天体はあの有名なハレー彗星。スピード感のある光の筋に、しばし時を忘れて見入ってしまうかもしれません。
6月 うしかい座流星群
6月には「うしかい座流星群」が極大を迎えます。2025年の極大は27日20時頃とされていますが、出現数が少なく、あまり目立たない流星群です。
画像:pixabay
ただ、月齢は1と新月直後で空は暗く、条件は悪くありません。
望遠鏡やカメラを持っている方は、うしかい座の方向に放射状に飛ぶ流星をとらえられるかもしれません。
肉眼観測では難しいですが、星空観察が好きな方には一度試してみる価値ありです。
7月 みずがめ座δ流星群
夏本番に向けて現れるのが「みずがめ座δ(デルタ)流星群」です。2025年は7月31日(木)の午後4時頃に活動が極大を迎えると予想されています。
観測には30日の深夜から8月1日明け方が適しており、月齢は25とかなり暗いため、絶好の条件です。
また、同時期にやぎ座流星群も活動しているため、空を見上げていればふだんよりも多くの流星に出会えるはずです。
夏休みの自由研究にもぴったりですね!
8月 ペルセウス座流星群
夏を代表する最大級の流星群といえば「ペルセウス座流星群」です。
2025年は8月13日(水)午前5時頃に極大を迎える見込みで、12日夜から13日夜明にかけてが観測のチャンスです。
画像:eso
ただし、今年の月齢は18で満月直後の明るい月が空に残るため、観測条件はやや厳しめ。
できるだけ月明かりの影響を避けた場所で観察するのがポイントです。
それでも、1時間に20個以上の流星が流れることもあり、夏の風物詩として見逃せない流星群です。
10月 オリオン座流星群
秋の夜長を彩るのが「オリオン座流星群」です。
2025年は21日の午後9時頃に活動がピークを迎え、21日の11時頃から22日朝にかけてが絶好の観測時間となります。
画像:John Flannery
しかも今年は月齢29と新月直前のため、空の暗さとしては最高の条件が整っています。
明るく速い流星が多く、観測にはうってつけの夜になるでしょう。
家族や友人と一緒に空を見上げるのにもぴったりの流星群です。
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11月 しし座流星群
11月といえば「しし座流星群」。2001年には「流星嵐」が見られたことでも有名ですね。
2025年のしし座流星群は18日午前2時頃に活動のピークを迎える見込みです。
画像:NASA
今年の月齢は27で、これまた新月直前となるため数年ぶりの好条件がそろっています。
観測の狙い目は17日深夜から18日朝にかけてです。
空を見上げていれば、しし座の方向から放たれる流星の筋があなたを驚かせてくれるかも。
12月 ふたご座流星群
年の瀬の恒例となっているのが「ふたご座流星群」です。
出現数・明るさともに安定していて、最も人気のある流星群といっても過言ではありません。
2025年の極大は12月14日(日)の午後5時頃で、観測のベストタイミングは13日深夜から14日朝にかけてですが、今年は月齢14で満月直後になります。
月明かりがやや邪魔になるかもしれません。
それでも1時間に50個以上の流星が見られる可能性は十分あります。
今年最後の流星群を、ぜひ暖かくして楽しんでください。
【参考文献・出典】国立天文台 ほしぞら情報,アストロアーツ 流星群カレンダー2025
流星群を肉眼で観測するためのポイントは?
望遠鏡を使わずに肉眼で流星群を観測する場合、流星を綺麗に観るためにいくつかのポイントが存在します。
せっかく流星群を探しに出掛けるのですから、流星観測のポイントしっかり押さえておきましょう。
ここでは流星群を肉眼で観測するためのポイントをご紹介します。
①できるだけ暗い場所で観測する
流星群の明かりは街明かりに比べて小さく暗いため、できるだけ街灯の光が届かない暗い場所で観測する必要があります。
画像:pixabay
また、月明かりも流星群の観測を邪魔してしまうため、街灯や月に背を向ける形で観測することがポイントなのです。
②できるだけ広い場所で観測する
暗い場所であっても木や建物などで視界が狭くなってしまうと流星群を観測することが難しくなってしまいます。
画像:pixabay
流星群は一か所に固まって降るわけではなく広範囲にわたって流れるため、できるだけ空を広く見渡せる場所で観測することがポイントになります。
③暗闇に目を慣らす
流星群を観測するなら暗闇に目を慣らす必要があります。これは流星群に限らず他の全ての星を観測する際のポイントでもあります。
画像:pixabay
しばらく目を閉じてみたり、暗い空を眺めて暗闇に目を慣らすことができれば、流星の光を見つけやすくなります。スマートフォンなどの明かりは天体観測の妨げになるため、決して見てはいけません。
④10分程度は観測する
流星群と聞くと絶え間なく流星が降り注ぐようなイメージを受けますが、特に活発な流星群でも1時間に40個ほどしか星を降らせません。
画像:pixabay
単純に計算しても流星と流星のあいだには1分30秒も間隔が開くことになります。
たくさんの流星が流れる流星群を実感したいのであれば数分程度ではなく、少なくとも10分以上は空を観察する必要があるでしょう。
これでも普段の流れ星に比べれば異常ともいえるほど短い間隔なのです。
そもそも流星群とは?
流星群とは夜空に放射状の流星が複数通り過ぎる現象を指す言葉です。流星は「流れ星」と呼ばれることもありますが、このふたつは基本的に同じ意味の言葉です。
画像:Leónidasde las tormentas de lacha
流星群は複数の流星が同時期に観測できる天体現象であり、流れ星自体が縁起の良いものとされていることから天体観測の中でも特に人気の高い天体現象です。
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流星群にも種類がある?
流星群はその性質からいくつかの種類に分けられています。一年のうち毎年同じ時期に観測できる流星群は「定常群」と呼ばれており、当記事で紹介したものの多くはこれに当たります。
画像:nps
また、毎年ではないものの一定期間毎に観測できる流星群は「周期群」と呼ばれ、しし座流星群などがこれに該当します。
他にも何らかの理由で突然出現する流星群には「突発群」という名前が付けられています。
流星群が発生するメカニズムは?
流星群の発生は太陽系内を周回する彗星と深く関わっています。
彗星は太陽の周りを回っていますが、その際に塵(ちり)などの粒子をまき散らしています。
この粒子は彗星の軌道上に漂い、地球の公転軌道と重なります。
そこを地球が通過すると粒子が大気と衝突してプラズマが発生し、まばゆい光を放つのです。
画像:NASA
彗星や地球の公転軌道は大きく変化することがないため、一定期間ごとに地球が粒子を通過し、定常群や周期群を発生させるというわけです。
また、彗星が放出する粒子の量は一定ではなく、常に変化しています。そのため、しし座流星群のようにある時期に大量の流星が発生することがあるのです。
流星群には何故星座の名前が付けられるのか?
多くの流星群にはこと座流星群やオリオン座流星群というように星座の名前が付けられています。
しかし、オリオン座を形成する星々は彗星ではなく太陽と同じ恒星です。
そのため、オリオン座の星々がオリオン座流星群の元となった粒子を発生させているわけではありません。
それでは何故このような名前が付けられているのでしょうか?
画像:popularsciencemo18newy
実は流星群の名前には流星が降ってきた元の方角にある星座の名前を付けるというルールがあります。
つまり、オリオン座流星群はオリオン座の方角から飛んできたためにこのような名前が付けられたのです。
しかし、流星群研究初期に発見されたものの中には例外もあり、「ジャコビニ流星群」など直接彗星の名前を付けられた流星群も存在しています。
三大流星群とは?
流星群には「三大流星群」と呼ばれるものが存在しています。
しぶんぎ座流星群、ペルセウス座流星群、ふたご座流星群がこれに当たります。
三大流星群は毎年世界中から安定して観測することが可能です。
画像:pixabay
三大流星群は規模が大きく流星の数も多いため、流星群を観測したいと思ったらこの3つに合わせてスケジュールを組むのがおすすめです。
いかがでしたか?多数の流星が降り注ぐ天体現象、流星群についてご紹介しました。今年はあなたも流星群を観測しに出掛けてはいかがでしょうか。