私たちを生んだ母なる地球。その地球を生んだ宇宙はどのように誕生したのでしょうか?宇宙のロマンを語るときにはその誕生を外すことはできません。
今回は宇宙の始まりに焦点を当て、有名なビッグバン理論をできるだけわかりやすくご紹介します。
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目次
宇宙の始まり
ビッグバンとは
ビッグバンとは、宇宙がある時期に爆発的な自然現象によって誕生したとする説、又はその現象を指す言葉です。観測の結果、銀河が遠ざかっていることが判明したことから宇宙は膨張していると考えられるようになりました。そう考えた場合、初期の宇宙は全てのエネルギーが一点に集中していたため、想像を絶するほど高温で高密度であったことが予想されます。この状態から爆発的に宇宙が拡張した現象がビッグバンです。
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今から100年ほど前まで宇宙は「始まりなどなく永遠に変化せずに存在し続けるもの」と考えられていました。当時、宇宙が誕生するという考え方は科学とは逆行する宗教的な発想とされ、柔軟に物事を捉えていた天才学者アインシュタインでさえ「宇宙の始まり」など馬鹿らしいと考えていたといわれています。しかし、観測技術の向上とビッグバン理論の提唱により「宇宙には始まりがあった」とする考え方は次第に認められるようになっていきました。
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ビッグバンと宇宙の誕生
ビッグバン理論によると今からおよそ137億年前に宇宙は誕生したとされています。宇宙誕生以前は空間も時間もない「無」の状態でした。時間の概念が存在しないため宇宙の歴史はこれ以上遡ることはできません。しかし、これは文字通り何もなかったという意味ではなく、プラスとマイナスの素粒子が相殺し合ってゼロになっているような状態でした。つまり、結果的に「無」になっているだけで素粒子は存在し、絶えず「生まれては消えて」を繰り返していたのです。永遠にも続くように思われるこの「無」の状態ですが、非常に低い確率であるとき均衡を崩しました。これが宇宙の誕生です。
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誕生した宇宙はその直後に急激な膨張を始めます。この段階は「インフレーション期」と呼ばれ、その膨張は光の速さを超えました。宇宙の膨張が始まることで直後に重力が生まれます。宇宙は誕生から1兆分の1の、その1兆分の1の、さらに10億分の1秒という非常に短い時間が経過するとやがて膨張の速度は落ち始め今度は熱エネルギーを放出し始めます。この現象がビッグバンです。この段階の宇宙の直径は未だ1cmほどでしたが100兆×100兆度という想像を超える高温に達していました。
この後も宇宙は凄まじい速度で拡張を続けその速度と熱エネルギーを次第に下げていきます。こうして宇宙が誕生したのです。このビッグバンの拡張率は1mmほどの大きさから一瞬で1000億光年の広さに拡張するのと同等だったといわれています。
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ビッグバン前の宇宙
宇宙誕生以前の「無」とされている空間には現在の宇宙のエネルギーが全て圧縮されている状態でした。この異常な状況を説明する非常にインパクトの強い説が存在します。それは「宇宙はブラックホールから生まれた」というものです。アインシュタインはブラックホールの特異点では重力は無限の密度を持つと説いています。
しかし、無限という概念自体が存在しないのではないかとの意見もあり、圧縮され続けたエネルギーは非常に低い確率であるときバランスを崩すといわれています。これがビッグバンなのではないかというのです。もしこの説が正しければ私たちの宇宙は別の宇宙のブラックホールの中に存在していることになり、私たちの宇宙に存在するブラックホールの中にはさらに別の宇宙が存在する可能性があるというわけです。ブラックホールについては関連記事でも詳しく触れています。
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画像:NASA/CXC/M.Weiss 出典:wikipedia
いかがでしたか?宇宙の始まりには未だ謎が多いですが、現在では概ねこのビッグバンによって誕生したものだとされてます。宇宙の話はいつでも私たちの想像を遥かに凌駕しますね。