B級パニック映画でよく取り上げられる「人食いザメ」。サメを題材にした映画は古くから一定数の指示を集め、数多くの作品が制作されてきました。
しかし、実際のサメによる事故は非常に恐ろしく凄惨を極めます。
今回は人食いザメについてその種類と事故事例、襲われたときの対策をご紹介します。
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目次
人食いザメが起こす事故
人食いザメの動画
まずはこちらの動画をご覧ください。
image:youtube
突然現れるサメにびっくりしてしまいますね。サメは世界中の海に生息しており、淡水域にも侵入できるだめこの動画のように突然遭遇する可能性も0ではありません。
サメは危険というイメージが強いですが人に危害を与えるのは大型の一部のサメに限ります。それらのサメも人間を好んで捕食はせず、動画のように不意を突かなければ襲われることは少ないといわれています。
男性が無事でなによりですね。世界の危険生物については関連記事にまとめています。
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人食いザメの種類
一口にサメといってもその全てが人間を襲うわけではありません。この地球上には約500種類ものサメが生息していますが、その中で人間を襲って食べるものはたった10種類だけです。
ここでは人食いザメの種類についてまとめています。
①シュモクザメ
シュモクザメは別名「ハンマーヘッドシャーク」とも呼ばれ、横に飛び出した目が特徴の変わったサメです。この特徴的な顔付きによってサメの仲間では珍しく立体的に物を見ることができるといわれています。
食用としても用いられており大変に美味とされていますが、彼らも人間を食すことで知られています。体長は4~6mになりサメにしては珍しく数百匹にも及ぶ群れを作り獲物を襲います。
②シロワニ
ワニの名前が付けられていますが、立派なサメの仲間です。実はワニにはサメを表す意味もあります。シロワニは世界中の海に生息していますが現在ではその数を減らし、絶滅危惧種にも指定されています。
おとなしい性格ですが稀に人間を襲うことが確認されています。体長は3m、体重は150㎏ほどの大型のサメです。
③イタチザメ
イタチザメは別名「ひれのあるゴミ箱」と呼ばれ、その名のとおり旺盛な食欲を持っています。死んで腐った魚から生きた獲物までとにかく積極的に食事をします。
大型の個体は体長7.5mを超え、体重は800㎏にもなります。ホオジロザメに次いで食害事故が多いサメとして知られており、後述する日本漁船の転覆事故では海に漂流する乗組員を生きながらにして食しています。
④アオザメ
アオザメは最も早く泳ぐサメといわれています。その泳ぐ速度は時速35㎞もあり、そのスピードを活かして獲物を捕食します。体長は大きいもので4m、体重は500㎏に達します。
アオザメのフカヒレは特に高級で非常に美味とされていますが、やはり彼らも人間を捕食します。
⑤オオメジロザメ
オオメジロザメは淡水域でも活動でき河口に侵入して人間を襲うことがあります。河口から3500㎞も離れた場所で発見されたこともあり、サメがいることを知らずに川で泳いでいた人々が被害にあっています。
日本では沖縄周辺にも生息しており、実際に死亡事故も起こっています。体長は最大で4m、体重は300㎏を超えます。
⑥ヨゴレ
ヨゴレという変わった名前を持つこのサメは普段は海洋面をゆっくり泳いで生活しています。胎盤を形成して子どもを産む珍しいサメで、個体数の減少のため捕獲には制限がもうけられています。
体長は3mほどで多くの食害事故を起こしており、「最も危険な人食いザメ」と考える海洋学者も多いのだそうです。
⑦コモリザメ
コモリザメは浅瀬から水深130mまでの間に生息し、体長は3~4mほどあるサメです。普段は魚や甲殻類を餌としている大人しい種です。
しかし、条件によっては人間を襲うことも確認されています。
⑧ニシレモンザメ
ニシレモンザメはカリブ海などに生息する大型のサメです。体長は3mほどになり、普段は人に危害を与えませんが錯乱した際には人に襲かかったという報告があります。
多くのサメは泳ぎ続けなければ呼吸ができませんが、ニシレモンザメにはその必要はありません。
⑨ハナザメ
ハナザメは世界中の海に生息し、胎生で子どもを産む珍しい種類のサメです。食用として重宝され、釣りの際には派手に水面を跳ねることから釣り人からも人気があります。
大型哺乳類を捕食することができないにも関わらず、血などで興奮すると人間を襲います。
⑩ホオジロザメ
ホオジロザメは映画「ジョーズ」のモデルになった世界で最も有名な人食いザメです。平均的な体長は4~5m、体重は1トン近くまで成長します。
獲物を捕食する際は時速30㎞近いスピードで泳ぎ、その巨体も相まって非常に危険なサメのひとつです。
このように世界には人を襲うサメが数多く生息しています。ここでご紹介したものは人食いザメのほんの一部ですが、日本近海でもサメに襲われる危険性があることがわかりますね。
サメには危険なもの以外にも巨大であったり不思議な姿をした仲間が数多く存在します。サメの仲間については関連記事にまとめています。
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人食いザメの事故
人食いザメによって命を落とす人の数は年間で5名ほどと決して多くはありません。しかし、専門家によるとサメによる事故は年間70件ほど発生しており、ここ100年で確実に増加してきているそうです。
本来サメは積極的に人間を捕食することはありませんが、視力が非常に低いためアザラシなどと間違えて人を攻撃します。巨大なサメの一撃は場所が悪ければ即死するレベルです。
また、腕や足などを食いちぎられた際は失血死の恐れもあります。ここでは人食いザメによって起こった悲惨な事故をご紹介します。
①ニュージャージーサメ襲撃事故
ニュージャージーサメ襲撃事故とは、映画「ジョーズ」のモデルになったといわれているアメリカのサメ食害事故です。1916年7月1日、ニュージャージー州の海岸で泳いでいた男性がサメに襲われ死亡しました。
当時は学者の間でもサメが人を襲うという認識がなく、その可能性があったホオジロザメもこの海岸で確認されていなかったため、最初は何の生物に襲われたのかわからなかったといいます。しかし、その5日後、今度は60㎞離れた海岸でまたもや男性がサメに襲撃されました。
彼は両足を食い千切られており、救助された直後に死亡が確認されました。後日、ホオジロザメが捕獲され胃袋から人骨が見つかったため、この二人を襲った人食いザメはこのホオジロザメだと結論付けられました。
二度目の事故から6日後、マタワン川の河口から26㎞も離れた場所で少年がサメに襲われます。少年の血で真っ赤に染まる川へ救助に潜った男性は、少年をくわえて泳ぐサメを目撃します。
男性はサメから少年を救出しようと試みますが、脚を咬まれ出血多量で死亡しました。また、少年は数日後に遺体となって引き上げられました。
マタワン川は淡水であることから彼らを襲ったのは淡水域にも侵入可能なオオメジロザメだといわれています。
②天草遊泳中女子中学生サメ襲撃死亡事故
天草遊泳中女子中学生サメ襲撃死亡事故は1982年8月29日、熊本県羽干島沖の海で起きた人食いザメの食害事故です。ある一家がヨットで海水浴を楽しんでいたときのことでした。
中学生になる当時13歳の長女と、弟たち二人が泳ぎたいとねだりました。仕方なく父親は救命胴衣を着せ子供たちをロープでヨットに繋ぎ引っ張って泳がせることにしました。
30分ほどたったとき娘の助けを呼ぶ声が聞こえ、ロープを引き上げようとすると彼女は海の中に沈んでいました。その後なんとか娘を引き上げますが、腹部には綺麗に穴が空いており内臓はほとんどない状態で死亡していました。
③瀬戸内海サメ食害事故
1992年3月8日、瀬戸内海で貝を採取していた男性がサメに襲われそのまま行方不明になるという事故が起きました。男性は漁中に漁船に無線で助けを求めましたが引き上げられたのは彼の潜水服の一部だけでした。
回収された潜水服は下半身の部分が大きく裂けていました。また、後日発見されたヘルメットからはホオジロザメの歯が見つかっており、海上保安本部は人食いザメに襲われ男性が死亡したと結論付けました。
④奄美大島沖漁船転覆事故のサメ襲撃
2012年3月23日、大波の影響を受けて鹿児島県奄美大島沖で漁船「春日丸」が転覆しました。乗務員6名はその後サメが生息する海を浮き輪や木に掴まりながら漂流することになります。
彼らは船の残骸が体に絡まることを防ぐためにズボンを脱いでいました。
あるとき彼らの一人が足に強烈な痛みを感じました。恐る恐る足を見てみるとソフトボール大にごっそり肉が抉り取られていました。
驚いた乗組員たちが海の中を確認すると1mほどのイタチザメが自分たちの周りに群がっていたのです。救出されるまでの間彼らは生きながら人食いザメに身体を食い千切られ続けました。
世界の巨大生物については関連記事にまとめています。
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人食いザメへの対策
人食いザメに襲われないためには一体どうすればいいのでしょうか?ここではサメによる事故を防ぐための方法をご紹介します。
①水しぶきを立てない
サメは視力が低いため、水しぶきや血の臭いで対象を獲物だと判断しています。浅瀬で水遊びをしていてサメに襲われたという報告があることから必要以上に水しぶきをあげることは控えた方が良さそうです。
②血を流さない
サメなどの肉食魚は血の臭いには非常に敏感で数㎞離れた場所の一滴の血も確認できるといわれています。また、女性の場合は経血でも危険なため生理中は海に入らない方が安全です。
③灯りを海に向けない
サメに限らず多くの魚は灯りに集まる習性があります。夜の海で泳ぐ機会は稀だとは思いますが、灯りにもサメを引き寄せる効果があることは知っておいた方が良いでしょう。
④沖へ行かない
そもそも大量のサメが生息している沖まで出ないことが最も重要です。浅瀬や河口に侵入してくるサメもいますが、沖に比べれば救命の確率も上がります。
いかがでしたか?一般的には発生数が少ないといわれる人食いザメによる事故ですが、サメに危険なイメージを持っている人が多いように事故にあった際の被害は非常に大きく凄惨です。もうすぐ海水浴の季節になりますが、人食いザメに気をつけながら安全に夏の思い出を作ってくださいね。
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