ジュラ紀の巨人ブラキオサウルス!その生態と水中活動説の真実

ブラキオサウルス


ジュラ紀に生息していた大型の草食恐竜「ブラキオサウルス」。現在では最大の恐竜ではなくなってしまったブラキオサウルスですが、それでも沢山の魅力を持っています。
今回はブラキオサウルスの生態やその大きさ、水中での活動説の真実などをご紹介します。

 
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ブラキオサウルス

①ブラキオサウルスとは?

ブラキオサウルスは今から約1億5000万年前のジュラ紀の地球に生息していた大型の草食恐竜です。彼らは恐竜の中でも特に繁栄に成功した種であり、白亜紀の初期から後期頃までおよそ3000万年以上にわたって地球上に存在していたといわれています。

ブラキオサウルスとは
画像:Alexanderlovegrove

長い首と尻尾を持つ巨大な体が特徴で、1900年に発見されて以降長らく最大の恐竜として知られてきました。

 

②ブラキオサウルスの名前の由来は?

ブラキオサウルスの名前には「腕のトカゲ」という意味があります。その由来は文字どおり非常に長い前肢にありました。ブラキオサウルスの前肢は後肢よりも長かったため、背中が後肢に向かって低くなっていました。これにより首の動かせる範囲が広くなり、より高い位置の植物を食べることができたのです。

ブラキオサウルス 名前の由来
画像:X-Alex

 

③ブラキオサウルスの大きさは?

ブラキオサウルスの全長は25メートルにもなる巨大なもので長い首により体高も16メートルに達しました。また、ブラキオサウルスは完全な全身骨格の化石が見つかっている数少ない恐竜のひとつで、博物館でそれを目の当たりにした人々はあまりの大きさに驚きの声を上げたといいます。

ブラキオサウルス 大きさ
画像:highdarktemplar

これだけ大きな恐竜は近年になってアルゼンチノサウルスやセイスモサウルスが発見されるまで見つからなかったため、ブラキオサウルスは100年近くのあいだ史上最大の恐竜だといわれてきました。

 

④ブラキオサウルスの体重は?

ブラキオサウルスサウルスの体重は平均的な個体で23トン、最大の個体では50トン近くにまで成長したといわれています。これは現生する最大の陸生動物アフリカゾウのオス8頭分の重さです。

ブラキオサウルス 体重
画像:tnilab-ekneb121

発見された当初のブラキオサウルスは体重が80トンにも及んだと考えられていました。しかし、現在ではブラキオサウルスは鳥類と同じ気嚢という器官を持っており、これによって巨体にも関わらず体重を抑えることができたとされています。

 

⑤ブラキオサウルスは水中で暮らしていた?

発見当初、ブラキオサウルスの体重があまりに重く予想されたため、研究者たちは陸上ではなく海や湖などの水中で生活していた恐竜なのではないかと考えました。ブラキオサウルスの頭頂部には特徴的なコブがあり、そこに鼻の穴が存在したことも水中で生活していた証拠になるとされたのです。

ブラキオサウルス 水中
画像:lcmattson

しかし、横隔膜を持たないブラキオサウルスが水中に長く滞在すると肺が水圧で潰されて死んでしまう可能性が高いことがわかってきたのです。現在では気嚢により体重を軽くしたブラキオサウルスは陸上で生活できたという説が一般的になりました。頭の上の鼻の穴も食事を中断せずに呼吸をするためのものだと考えられるようになったのです。

 

⑥ブラキオサウルスの食性は?

ブラキオサウルスは長い首と大きな体を使って他の草食恐竜が食べることができない高い位置の植物を食べることができました。その食べ方も特徴的で枝ごとまとめて口に入れ、スプーン状の歯で葉っぱだけをすき取るようにして食べていました。

ブラキオサウルス 食性
画像:Nollaig

ブラキオサウルスの歯には植物をすり潰す役割もありましたが、他の草食恐竜に比べて顎が弱かったためほとんど丸飲みに近い食事方法だったと考えられています。

 

⑦ブラキオサウルスは石を食べていた?

ブラキオサウルスの化石の胃にあたる部分から多くの場合石が発見されるため、彼らは植物だけでなく石も丸飲みにしていたことがわかっています。

ブラキオサウルス 石
画像:cheungchungtat

これらは胃石と呼ばれており、胃の中で石がぶつかり合うことで丸飲みにされた植物を擦り潰し消化を助ける働きがありました。丸飲みという吸収効率の悪い食事方法をとっていたため、ブラキオサウルスはその一日のほとんどを食事に費やしていたと考えられています。

 

⑧ブラキオサウルスは群れで子育てしていた?

ブラキオサウルスは他の草食恐竜たちと同様に群れで行動していたと考えられています。餌を探しての移動や水辺で水を飲む際などは交代で見張りを立てて自分たちの身を守っていました。

ブラキオサウルス 群れ 子育て
画像:Trudsss

多くの草食恐竜たちは卵を同じ場所で産み、子育ても集団でおこなっていたと考えられています。ブラキオサウルスも群れの中心に子どもたちを集めることでその巨体を敵から身を守る防御壁にしていたのです。

 

⑨ブラキオサウルスは最強だった?

ジュラ紀の地球ではブラキオサウルスは最大級の巨体を誇っていました。同じ時代に生息していた大型の肉食恐竜アロサウルスですら、ブラキオサウルスとの体重差は25倍もあったのです。アロサウルスは群れで連携をとって狩りをしていたため、群れからはぐれたり怪我や病気をしたブラキオサウルスはその餌食になってしまうこともありました。

ブラキオサウルス 最強
画像:ABelov2014

しかし、群れで行動する健康なブラキオサウルスはアロサウルスから攻撃の対象にすらされることはなかったはずです。群れからはぐれて標的になってしまったブラキオサウルスですら巨体から繰り出す強烈な尻尾の一撃で単体の肉食恐竜であれば返り討ちにしてしまったことでしょう。体が大きいということは自然界においてそれだけの強みになり得るのです。

出典:wikipedia
画像:WillDynamo55

 

いかがでしたか?ジュラ紀に生息した巨大な草食恐竜ブラキオサウルスについてご紹介しました。彼らが群れを成して移動する様はさぞ迫力があったことでしょう。