かつて太古の地球に生息していた巨大な草食恐竜「ティタノサウルス」。彼らの仲間は陸上に存在した史上最大の生物だといわれています。
今回は巨大すぎるティタノサウルとその仲間の大きさや生態についてご紹介します。
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目次
ティタノサウルス
①ティタノサウルスとは?
ティタノサウルスは白亜紀後期(8300万~6500万年前)の地球に生息していた大型の草食恐竜です。古くはチタノサウルスと呼ばれていましたが、現在ではティタノサウルスと呼ばれることが多いようです。有名なブラキオサウルスやアパトサウルス(ブロントサウルス)などと同じ竜脚下目に属しており、大きく長い首と尾を持っているのが特徴です。また、背中には骨でできた装甲板が存在しました。
ティタノサウルス類の仲間はその巨体と広範囲の植物を食べることができる長い首のおかげで繁栄を極めましたが、他の恐竜たちと同じく白亜紀後期に起こった大量絶滅によって地球から姿を消してしまいました。
②ティタノサウルスの名前の由来は?
ティタノサウルスという名前はギリシア神話に登場する巨神族「ティーターン(タイタン)」に由来しています。その理由はティーターンの名前のとおりの巨大な体でした。
画像:reptilepedia
ティタノサウルス自体は竜脚類の恐竜の中で特別巨大という訳ではありませんが、同じティタノサウルス類に分類される仲間の中には特に大きいものが多く存在しています。初めてティタノサウルスの骨を発見した人はそのあまりの大きさに大変驚いたといわれています。
③ティタノサウルスの大きさは?
ティタノサウルスの全長は最大で19メートルほどだったと考えられており、竜脚類の中では比較的小振りの体形でした。しかし、同じティタノサウルス類に含まれる「アルゼンチノサウルス」などは全長が45メートル、体重は110トン近くまで成長したとされており、これまで陸上に存在した生物の中で最大級の大きさだったことがわかっています。
その他にも全長40メートルを超える「プエルタサウルス」などアルゼンチノザウルスに匹敵する巨大な恐竜も見つかっており、発見される巨大恐竜はティタノサウルス類に属しているものが多いようです。巨人の名に恥じない超巨大生物ですね。
④ティタノサウルス類の特徴
ティタノサウルス類の仲間は他の竜脚類に比べて頭が小型化しているという特徴がありました。また、肩幅が広くがっちりとした体形だったと考えられています。後肢よりも前肢の方が長いものも多く、後肢だけで立ち上がりやすい造りになっていました。
骨や鱗が変化した装甲板を持っているものもいて、そうでない種よりも敵からの攻撃や乾燥に強かったといわれています。
⑤繁栄を極めたティタノサウルス類
ティタノサウルスの仲間はおよそ2500万年のあいだ最も成功した草食動物として地球で大繁栄を極めました。後に大量絶滅が起こる白亜紀後期の中では最大の竜脚類のグループだったのです。
画像:dinosaurs Sameer Prehistorica
ティタノサウルス類は白亜紀中期に絶滅したブラキオサウルスにとって代わり、大陸の隅々まで広がっていきました。現在ではすべての大陸からティタノサウルス類の化石が発掘されており、南極大陸での発見報告まで存在します。
⑥ティタノサウルス類の子育て
アルゼンチンで発見されたティタノサウルス類の巣跡からティタノサウルスが群れで行動し、集団で子育てをしていたことが明らかになっています。彼らは穴を掘って複数のメスが卵を産み、その上に土や植物を被せて外敵に見つからないように工夫していました。
画像:italytravel
また、巣の周りを大人たちが囲って卵を守っていたのです。巨大なティタノサウルス類の群れの中では卵を狙う捕食者たちも簡単には手を出せなかったはずです。
出典:wikipedia
⑦ティタノサウルス類の仲間
ティタノサウル類には様々な種類の恐竜が存在しています。ここでは特に有名なティタノサウル類についてご紹介します。
アルゼンチノサウルス
ティタノサウルス類を一躍有名にしたアルゼンチノサウルスは今からおよそ1億1000万~9000万年前の白亜紀後期に生息していました。アルゼンチノサウルスの特徴は何といってもその巨大さです。最大身長45メートル、体重110トンという大きさはこれまで陸上に存在した生物の中で最大級のものでした。背骨の骨ひとつの長さが1.3メートル、脛骨(太ももの骨)の長さは1.5メートルにもなりました。
かつてアルゼンチノサウルスは「最大」の恐竜として世界中で知られていましたが、プエルタサウルスや他の新種大型恐竜の発見により現在では「最大級」に変更されています。ちなみにジュラ紀に繁栄したブラキオサウルスやアパトサウルスに似た姿をしていますが、アルゼンチノサウルスを含むティタノサウルス類はそれらよりずっと後に誕生した別の恐竜です。
出典:wikipedia
アンペロサウルス
アルゼンチノサウルスと同じく白亜紀後期に生息していたアンペロサウルスは「フランスで最も有名な恐竜」といわれています。フランスのワイン用ブドウ園の近くで発見されたため「ブドウのトカゲ」という変わった名前が付けられています。体長は15メートルほどとティタノサウルス類の中では小さめですが、背中には特徴的な装甲板を持っていました。
画像:Phil Wilson
出典:wikipedia
アラモサウルス
白亜紀の北アメリカ大陸に生息したアラモサウルスは、ニューメキシコ州のアラモで発見されたことからその名前が付けられました。アラモサウルスは発掘される化石が少なかった頃には体長が21メートルほどの恐竜であると考えられていました。
画像:vasix
しかし、2011年に新たな化石が発見されたことにより、体調が35メートルを超す巨大恐竜であることがわかりました。現在ではアルゼンチノサウルスに並んで史上最大級の恐竜であるとされています。
出典:wikipedia
パラリティタン
パラリティタンは「海辺の巨人」の意味を持つ少し変わった名前のティタノサウルス類です。マングローブが生い茂る白亜紀の水辺に生息していたことがわかっており、「史上二番目に巨大な恐竜」と呼ばれることもあるようです。
パラリティタンは上腕骨の長さが1.7メートルもあり、全長26メートルにまで成長しました。アルゼンチノサウルスが同時代に生息していたギガノトサウルスに捕食されていたことから、その仲間であるカルカロドントサウルスもパラリティタンを捕食していたのではないかと考えられています。
出典:wikipedia
プエルタサウルス
プエルタサウルスはアルゼンチノサウルスと同じアルゼンチンで発見された大型のティタノサウルス類です。その大きさは全長40メートルに達すると考えられており、アルゼンチノサウルスに並んで史上最大生物の候補とされています。
プエルタサウルスは白亜紀の森林地帯を生息地としており、巨大な体に似合わず自由自在に体を動かすことができたのではないかといわれています。ちなみに名前は発見者のパブロ・プエルタに由来します。
出典:kyouryuzukan
いかがでしたか?巨大過ぎるティタノサウルスと仲間のティタノサウルス類についてご紹介しました。このような巨大生物が地球上に存在していたと考えるととてもロマンがありますね。ジュラシックパークではないですが、一度でいいから生きた個体を見てみたいものです。