世界最大のオーパーツともいわれる「ナスカの地上絵」。このナスカの地上絵は誰がいつ何のために描いたのでしょうか?
今回はナスカの地上絵の詳細と描き方、存在理由について特に有力とされている説をご紹介します。
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目次
ナスカの地上絵
①ナスカの地上絵とは?
ナスカの地上絵とは、ペルー共和国の乾燥地帯に描かれている巨大な地上絵です。これらの絵は乾燥した地面の上の小石を取り除き、白い大地を露出させることで描かれています。
ナスカの地上絵はあまりに巨大であることから地上から全貌を確認することはできず、飛行機などに乗ってある程度の高度に達しなければ何が描かれているか判断できません。1939年にアメリカの考古学者ポール・コソックによって発見されて以降、新しい絵が次々に見つかっていますが、このような絵が何故描かれたかは現在でも謎とされています。
②ナスカの地上絵の場所は?
ナスカの地上絵はペルー共和国のパンパ=コロラダと呼ばれる盆地に描かれています。パンパ=コロラダはペルーの南海岸とアンデス山脈のあいだに位置しており、小石が地面を埋め尽くす乾燥地帯です。
画像:NASA
この場所は年間を通して雨が少なく水はけも良い地層であったため、非常に長い期間ナスカの地上絵を保存することができました。ナスカの地上絵を描いた人々はこのような場所の特性を活かし、後世にまでこれらの絵を残そうとしたのです。
③ナスカの地上絵の種類は?
地上絵には動物が描かれているものが多く、その種類もサルやヒトなどの哺乳類から鳥類、爬虫類、魚類と多岐にわたります。中には何の動物を描いているのか判断が難しいものもありますが、基本的には実在の生物がモデルであると考えられています。
画像:Mapa de las Lineas de Nazca
生物ではない模様や矢印のような絵に至っては700種類以上が確認されており、これらが何を意味していたのかは解明されていません。ナスカの地上絵を構成する直線の数は1万を超えているといわれています。
④ナスカの地上絵の大きさは?
ナスカの地上絵の大きさは一定ではなく描かれるものによってそれぞれ違いますが、どれも絵としては規格外の大きさです。最も有名な「ハチドリ」は全長が96メートルにもなる巨大なもので、同じく有名な「サル」の絵も55メートルを超えています。
画像:dannyriven
最も大きな地上絵はペリカンのような鳥を描いたもので、全長はなんと285メートルにも達しました。また、これらを構成する地上線の幅は最大で60センチメートルもあります。
絵ではありませんが人工的に描かれた矢印のような模様も確認されており、その長さは50キロメートルにも及ぶ巨大なものです。このように巨大な絵や矢印は航空技術の存在しなかった当時の人々には全体像を把握することのできないものでした。
⑤ナスカの地上絵はいつ頃描かれたのか?
ナスカの地上絵の地上線には絵を描くために用いたとみられる木棒が残されているものがあります。この木棒による年代測定の結果、ナスカの地上絵は今から1400年~2200年前頃のナスカ文化時代に描かれたことがわかっています。
画像:Maria Reiche
驚くべきことに地上に引かれた線でしかないナスカの地上絵は、数千年にわたって消えずに存在していたことになるのです。
⑥ナスカの地上絵は誰が描いたのか?
ナスカの地上絵が描かれた年代から、これらの絵は当時のナスカ市周辺で栄えていたナスカ文化時代の人々が描いたのではないかといわれています。古代ナスカの人々は狩りや農業を行ない自給自足の生活をしており、宗教を非常に重んじていたことがわかっています。
画像:Lyndsayruell
現地からはナスカ文化のものとみられる着色済みの土器が数多く出土しており、そのほとんどは地上絵と同じく動物をモチーフにしていました。この事実も彼らがナスカの地上絵を描いた証拠のひとつであるとされています。
⑦ナスカの地上絵の近くにはピラミッドも存在する?
ナスカの地上絵が広がるパンパ=コロラダから南へ500メートルほど離れた砂漠地帯に30以上の巨大なピラミッドが存在していることがわかっています。この「ナスカのピラミッド」もナスカ文化時代の人々が建設したと考えられており、世界最古のピラミッドである可能性もあるといわれています。
画像:Ingo Mehling
ナスカ文化では階級制度は存在しましたが、古代エジプトのように奴隷は存在していませんでした。そのため30を超える巨大ピラミッドを一体どのようにして建設したのかは現在でも謎とされています。
⑧ナスカの地上絵の描き方は?
ナスカ文化時代の人々はどのようにしてこのような巨大な絵を描くことができたのでしょうか?実はナスカの地上絵の描き方はいくつかの方法ですでに再現することができています。ここではナスカの地上絵の描き方についてご紹介します。
種まき応用法
ナスカでは現在でも地上絵の作成が行われており、その際に用いられる方法がこの「種まき応用法」です。この方法では絵を描く際に複数の人間が横並びになって歩幅を合わせながら前進していきます。そしてこの歩幅によって距離を測定しながら均等に地上絵を描いていくのです。
画像:pixabay
この方法は全長50メートルほどの地上絵を手軽に描くことができますが、それ以上大きな絵を描くことには適していません。50メートル以上の地上絵を描く際には次の「原画拡大法」が用いられたと考えられています。
原画拡大法
原画拡大法とは最初に地上絵のモデルとなる絵を描き、それを元にさらに大きな絵を描いていく方法です。モデルの絵には支点となる木棒を打ち込み、拡大したい長さの紐と絵を描くためのもうひとつの木棒を取り付けます。これによってモデルの絵と全く同じ線を拡大して描くことが可能になります。
画像:Las maravillas del Peru
現在ではこの原画拡大法によるナスカの地上絵の再現を算数の授業に取り入れている小学校もあり、この方法を用いれば子どもだけでも巨大な地上絵が描けることが証明されています。しかし、原画拡大法は紐を真っ直ぐ張った状態でなければ描写できないため、この方法によって描くことができる地上絵は最大でも200メートルが限界であると考えられています。200メートルを超える地上絵については現在でも詳しい描き方がわかっていません。
⑨ナスカの地上絵は消えないって本当?
ナスカの地上絵は単なる地上に引かれた線であるにも関わらず、描かれてから1400年~2200年経過した現在でも消えずに存在し続けています。そのためナスカの地上絵はオカルト的な何らかの理由により消えないのではないかという噂もあるようです。
画像:pixabay
先述したとおりナスカの地上絵は雨が少なく水はけの良い地層の上に描かれたため、数千年の長きにわたって消えずに残ることができました。しかし、現実的な問題としてナスカの地上絵は日々消えていっていることがわかっています。
1994年に世界遺産に登録されて以降、ナスカの地上絵には世界中から多くの観光客が訪れるようになりました。歩行による絵の消耗を防ぐために観光客は特殊な靴を履くことが義務付けられています。しかし、このままではナスカの地上絵の保存は非常に困難であると言わざるを得ない状況なのです。
⑩ナスカの地上絵最大の謎!何のために描かれたのか?
人が目にするにはナスカの地上絵はあまりにも巨大なものです。古代ナスカの人々は一体何のために1000近い地上絵を描いていたのでしょうか?
ここではナスカの地上絵が描かれた理由として特に有名な説をご紹介します。
カレンダー説
ナスカの地上絵を構成する線には意図的に太陽の動きや季節の変化に合わせたと思われるものが存在することがわかっています。そのためナスカの地上絵は農業をするためのカレンダーとして描かれたのではないかという説があります。
画像:pixabay
確かに地上線の中には夏至冬至の日没の方角や、雨季乾季の星の動きを表しているものが存在しています。しかし、カレンダーを全長数百メートル規模で描く必要はないため、この説には疑問が残ります。
雨乞い説
ナスカの地上絵は一筆書きで書かれているため、雨乞いの儀式の際に道路として使われたのではないかという説も存在します。ナスカ地方では昔から雨乞いの際に楽器を鳴らしながら道を歩くという習慣があり、この道がナスカの地上絵だった可能性があるのです。
画像:pixabay
ナスカの地上絵の線付近では雨乞いの儀式に使用される貝殻の破片が見つかっています。そのため雨乞いの儀式のために巨大な地上絵を描いたのではないかという説が生まれたのです。
食料管理システム説
古代ナスカでは食料などの財産はすべて個人単位で管理されていました。そのため食料が流通するシステムがなく飢饉が起こりやすい状況だったのです。この問題を解決するために古代ナスカの権力者たちはナスカの地上絵の制作という公共事業を作ったのではないかという説です。労働者に支給するという建前で国中の食料を回収し、管理することで国が飢饉によって全滅することを防いだのです。
画像:pixabay
公共事業は長期にわたる必要があったため必要以上に巨大な地上絵を描く必要がありました。しかし、100メートル規模の地上絵であっても先述した原画拡大法を使えば数十人で数時間もあれば完成してしまうため、長期的な公共事業になることはなかったのではという疑問が残ります。
権力者の葬式説
ナスカではピラミッドが発見されていることから、ナスカの地上絵も権力者の埋葬のために描かれたのではないかとする説です。古代ナスカで信仰された宗教では、人は死後に太陽に還るとされていました。
画像:pixabay
そのため死んだ権力者を太陽へ導くため、もしくは死者へ贈るメッセージとしてナスカの地上絵が描かれたのではないかと考えられています。古代ナスカでは宗教的傾向が強かったため、この説は特に有力であるとされています。
宇宙人のマーキング説
ナスカの地上絵は当時の人々が目視できないものであったため、古代の地球に到来した宇宙人によって描かれたのではないかとする説です。ナスカの地上絵がUFO(未確認飛行物体)の発着場なのではないかという意見は古くから存在していました。
画像:pixabay
宇宙人が地球を訪れた際にマーキングとしてナスカの地上絵を描いたと考えるならば、全長50キロメートルにもなる矢印や200メートル以上の地上絵の書き方がわからないことにも一応の説明は付くことになります。
いかがでしたか?最大のオーパーツであるナスカの地上絵についてご紹介しました。ナスカの地上絵とは単なる宗教的な遺物なのでしょうか?それとも宇宙人が地球に訪れた証拠だったのでしょうか?地球にはまだまだロマンが溢れています。